スポーツは徐々に上手くならない、すぐに上手くなる

  • 2025年8月7日
  • 2025年8月7日
  • 一般
  • view

 

1. 練習の「量か質か」論争の答えは「相転移」にあり

 

スポーツ界で絶えず議論される「練習の量か質か」という問いに、野球の菊池雄星選手が「きっかけを掴むために量をこなす」という明快な答えを出しています。これは、スキルが徐々にではなく、ある瞬間を境に飛躍的に向上する「相転移現象」を指します。パフォーマンスはコツコツと直線的に伸びるのではなく、わずかな変化が引き金となり、まったく異なる次元へと移行するのです。練習の「量」とは、この劇的な変化をもたらす「これだ!」というきっかけを探し、出会うための試行錯誤の数に他なりません。質を高めるためのきっかけを掴むためにこそ、練習量が重要になるのです。

 

2. 「敗北」がチームを覚醒させた不思議な体験

 

筆者はスペインでのコーチ時代、この相転移現象をチームマネジメントにおいて体験しました。当時、公式戦で勝てずにいたチームが、格上の強豪エスパニョールに2-3で惜敗。コーチである筆者は悔しさで落ち込みましたが、ロッカールームに戻ると、選手たちの表情は驚くほど晴れやかでした。彼らは「あのエスパニョールから2点も取れた!」と互いを称え、自信に満ち溢れていたのです。表面的な「負け」という結果に囚われていた筆者にとって、それは衝撃的な光景でした。彼らは敗戦の中にあった「できた」という確かな手応えを、次へのエネルギーに変えていたのです。

 

3. 小さな成功体験が組織を変える「きっかけ」のマネジメント

 

エスパニョール戦での敗北は、チームにとってまさに上昇気流に乗るための「相転移」の引き金となりました。格上相手に善戦したという小さな成功体験が、選手一人ひとりに確かな自信を芽生えさせ、組織全体を別次元のフェーズへと移行させたのです。チームはその翌週から別人のように勝ち始めました。この経験が示すように、人間の心理やチームの力学は、本当に些細なきっかけで大きく変わります。パフォーマンスは単なる積み重ねで向上するものではありません。だからこそ、「負け=ダメ」と決めつけず、その中にあるポジティブな変化の兆しを見つけ出すことが重要なのです。

 

詳しくはnoteの記事で

https://note.com/tsubocoach/n/n3ee98db19def

最新情報をチェックしよう!